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2025.07.30
コラム
2025.07.30

病院の中での臨床検査技師と臨床工学技士のはたらき

病院では、ひとりの患者さんに対してさまざまな医療のスペシャリストが関わり、チームで連携して治療などにあたっています。
ここからは、あなたが「お腹が痛くて病院に行った」と仮定して、病院での各医療職の連携を見ていきましょう。

①医師の診察
最初に診てくれるのは医師。お腹のどの辺りが痛いか、いつから、どんな痛みかなどを聞き、触診や聴診をしてどんな病気の可能性があるかを考えます。どんな検査が必要かを判断し、次のステップへ進みます。

②臨床検査技師の登場
医師が「血液検査と超音波(エコー)検査をしましょう」と指示を出しました。
ここで臨床検査技師の出番です。
血液検査では、血液中の白血球や炎症反応の値を測定し、体の中で炎症が起きているかを調べます。
超音波検査では、臓器(腸や肝臓など)を観察して、腫れや異常がないか調べます。
医師は、臨床検査技師が調べた検査データをもとに診断の精度を高めていきます。

③診断の結果
医師は「急性虫垂炎(いわゆる盲腸)」と診断しました。それも、すぐに手術が必要な状態。早速、手術の準備が始まります。

④臨床工学技士の登場
手術では、人工呼吸器やモニター、電気メスなど多くの医療機器を使用します。これらを準備・点検・操作するのが臨床工学技士の役割です。
人工呼吸器や麻酔器が安全に作動するかチェックし、手術中の心拍や血圧を確認するモニターをセッティングします。手術中、医師の隣で機器のトラブルに対応することもあります。

⑤手術後のサポート
無事に手術が終わりました。看護師が痛みの様子を確認しにきたり、薬剤師が内服薬の説明に来たり、管理栄養士が消化に良い食事を調整したりと、回復期にも色々な職種が病室を訪れます。

いかがでしょうか。
臨床検査技師と臨床工学技士、名前の響きは似ていますが、病院での役割や仕事内容は異なっていますね。

また、さまざまな医療職が関わる「チーム医療」の様子も垣間見えました。
このように、「おなかが痛い」という一つの症状にも、医師・看護師だけでなく、検査、機器、薬、栄養、リハビリなど、数えきれないほどの医療職が連携し、患者さんの命と回復を支えています。

東京医療保健大学は、日本最大の看護師養成大学であるだけではなく、医療保健分野の総合大学として、チーム医療に貢献できる多様な医療専門職を育てています。
特に臨床検査技師や臨床工学技士は、医療現場の最前線で活躍する、これからの社会に欠かせない存在です。

機械が好きな人、科学に興味がある人、誰かの役に立ちたいという思いを持つ人――
あなたの「好き」や「得意」や「興味」が、命を支える力になるかもしれません。このコラムをきっかけに、ぜひ医療の世界に一歩踏み出してみてください。
あなたの未来が、誰かの「いのち」を守る未来へとつながっていきますように。

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